インプラント治療コラム COLUMN

上顎の奥歯の顎の骨が足りない場合の骨造成「ソケットリフト」「サイナスリフト」とは


インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を安定して結合させるために、顎の骨に高さ・幅(厚み)が必要です。


顎の骨が足りない場合は「骨造成」という補助手術を行い、顎の骨量を増やすことでインプラント体を安定させやすくなります。


今回は、顎の骨が足りない方の中でも、特に、上顎の奥歯の顎の骨が足りない方に対して行うことがある以下の2つの骨造成をご紹介します。


①ソケットリフト


◎上顎の奥歯の顎の骨が少し足りない場合に行うことがある骨造成です

ソケットリフトとは、上顎の奥歯の顎の骨が少し足りない場合に行うことがある骨造成です。


◎ソケットリフトによる骨造成の流れ

    1. 噛み合わせ面の歯茎を切開し、上顎の奥歯の上部にある上顎洞(じょうがくどう)の底の部分の1mmほど手前まで、歯槽骨(歯を支えている顎の骨)に穴を作ります


  1. 水圧挙上で上顎洞底部の粘膜を持ち上げ、インプラント体を埋入します


{当院では水圧挙上にて上顎洞底部の粘膜を持ち上げています}


専用器具で上顎洞底部の粘膜を持ち上げた場合、器具の力加減次第では粘膜が破れてしまうリスクも。


当院では、ソケットリフトにおいて、水圧挙上にて上顎洞底部の粘膜を挙上。挙上時の粘膜損傷のリスクを低減しています(※)。


(※)水圧挙上においても、水圧の適切な調整が重要です。


{当院のソケットリフトでは骨補填材やCGFは用いません}


感染リスクをできるだけ抑えるために、当院のソケットリフトでは骨補填材(自家骨、人工骨)やCGF(完全自己由来のフィブリンゲル)は用いません。


ソケットリフトで上顎洞底部の粘膜を水圧挙上する際は、挙上の影響によって粘膜から出血があります。このときに出た患者様ご自身の血液を骨再生のための成長因子として利用し、上顎の奥歯の歯槽骨を増やしていきます。


②サイナスリフト


◎上顎の奥歯の顎の骨が大きく足りない場合に行うことがある骨造成です

サイナスリフトとは、上顎の奥歯の顎の骨が大きく足りない場合に行うことがある骨造成です。


◎サイナスリフトによる骨造成の流れ

  1. 歯茎の側面(頬側)を切開し、上顎の奥歯の歯槽骨に対して横方向に穴を作ります


  1. 上顎洞の底部の粘膜を持ち上げ、歯槽骨に作った穴から、骨増やすための骨補填材を入れ、歯茎を閉じます


  1. 治癒期間(8~10ヶ月ほど)を置き、上顎の奥歯の顎の骨の骨量が増えたことが確認できましたら、インプラント手術を行い、インプラント体を埋入します


■ソケットリフトとサイナスリフトの違い


ソケットリフトとサイナスリフトはどちらも上顎の奥歯の顎の骨に行う骨造成ですが、両者には以下のような違いも。


◎歯槽骨が増えるまでにかかる期間(治癒期間)

ソケットリフトは、歯槽骨が増えるまでに平均で3ヶ月ほどかかります。


サイナスリフトは、歯槽骨が増えるまでに平均で8~10ヶ月ほどかかることが多いです。


◎患部への侵襲度(創口の大きさ)

ソケットリフトは噛み合わせ面の歯茎を切開するため、サイナスリフトと比べると侵襲度は抑えられます。


サイナスリフトは歯茎の側面に上顎洞へのルートを作るため、ソケットリフトと比べると侵襲度は大きくなります。


◎インプラント体の同時埋入が可能かどうか

当院では、原則として、ソケットリフトでは上顎洞底部の粘膜の水圧挙上後、同時(同日)にインプラント体の埋入を行います(当院ではソケットリフトの際に骨補填材やCGFは用いません)。


サイナスリフトは骨補填材の注入後、いったん歯茎を閉じ、治癒期間を置くことが多いです。8~10ヶ月間ほどの治癒期間を経てインプラント手術を行い、インプラント体を埋入します。


※歯槽骨の状態によっては、サイナスリフトでも骨補填材の注入とインプラント体の埋入を同時に行えるケースも。


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白山歯科クリニックでは、30年以上のインプラントの治療実績がある日本口腔インプラント学会所属の院長が手術を担当します。これまでに行ってきた数多くの治療の経験に基づき、骨造成や難症例にも対応可能です。


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