
「歯周病が進行して歯が抜けちゃった… 歯医者に行くのも面倒くさいし、1本くらいなら抜けたままでもいいかな…」
歯を失ったとき、「歯医者に行くのが面倒」「お金をかけたくない」などの理由で、歯科医院で診察・治療を受けずに歯が抜けたままにしてしまうケースも。
歯が抜けたまま放置するのは、良くありません。
歯が抜けた後、歯科医院で治療を受けずに放置していると、以下のような悪影響が生じる可能性があります。
■歯が抜けた後、治療を受けずに放置した場合に起こり得る悪影響の例
1.全体の歯を使って、しっかりとバランス良く食べ物を噛みにくくなる
歯が抜けたままにしていると、全体の歯を使って、しっかりとバランス良く食べ物を噛みにくくなります。
前歯が抜けた場合
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前歯で食べ物を噛みちぎりにくくなる
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前歯で食べ物をかじり取りにくくなる
傾向が見られます。
奥歯が抜けた場合
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左右両方の奥歯を使って、しっかり食べ物を咀嚼できなくなる
ことが多いです。
2.全体の歯並び・噛み合わせが乱れやすくなる
歯を抜けたままにしていると、歯が抜けて空いたスペースに隣の歯が倒れ込み、全体の歯並び・噛み合わせが乱れることがあります。
3.残っている歯にかかる負担が増える(歯にかかる負担が増すことにより、残っている歯を失い続けるケースも)
歯を抜けたままにしていると、抜けた歯にかかっていた噛み合わせの負担を、残っているほかの歯が引き受ける形になります。
歯が抜けたままにしていたことで噛み合わせが悪化(噛み合わせが乱れる)。
噛み合わせの乱れが原因のアンバランスな負荷・過剰な負荷によって歯・歯周組織がダメージを受け、歯周病が進行することも(噛み合わせの乱れ(外傷性咬合)による歯周病の進行)あります。
噛み合わせの乱れが原因の歯・歯周組織へのダメージ(外傷性咬合による歯周病の進行)により、残っている歯を失い続けることも少なくありません。
{奥歯のバーティカルストップが失われると、加速度的に歯を失いやすくなります}
前歯・奥歯、どちらも大切な歯ですが、失ったときに、よりリスクが大きいのは奥歯です。
奥歯は、「上下の歯と歯が噛み合う力(咬合圧:こうごうあつ)」を受け止める重要な役割を果たしています。
左右の奥歯が抜けた状態を放置すると…
左右の奥歯が抜けた状態を放置すると、奥歯のバーティカルストップ(咬合圧を受け止める土台(奥歯によるストッパー機能))が弱まり、前歯を含む全体の歯への負担が増大。
歯にかかる負担の増大によって歯・歯周組織へのダメージが大きくなり、加速度的に、残っている歯を失いやすくなります。
4.発音しにくくなることがある(特に前歯を抜けたままにしている方)
前歯を抜けたままにしていると、抜けた前歯のすき間から空気が漏れてしまい、サ行・タ行を発音しにくくなることがあります。サ行・タ行のほか、前歯を抜けたままにしている方はナ行・ラ行の発音がしにくくなる場合も。
5.あまり噛まずに済むやわらかい食べ物・糖質中心の偏った食生活になりやすい
歯が抜けたままにしている方は、失った歯の部分で弾力のある肉・繊維質の魚や野菜などを噛みにくくなります。
特に、進行した歯周病などが原因で多くの歯を失い、治療を受けずに放置している方は、
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あまり噛まずに済むやわらかい食べ物
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糖質中心(砂糖を含む甘い飲食物や炭水化物などの主食)
の偏った食生活になりやすいです。
[多くの歯を失い、治療を受けずに放置している方に見られる食生活の例]
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砂糖を含む甘いお菓子・ジュース・アイス
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お酒
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カレー・シチュー・おじや・やわらかく煮た麺類などの炭水化物(主食)
上記のような糖質中心の食生活が続くと、肥満になりやすいです。肥満のほか、糖質の過剰摂取により、糖尿病・高脂血症などの疾患を発症・進行するリスクも高まります。
6.噛み合わせの乱れが原因で顎や全身の筋肉・骨格のバランスが乱れることがある
噛み合わせは、顎の筋肉・骨格や全身の筋肉・骨格のバランスと深く関係しています。
歯が抜けたままにしていると、隣の歯の倒れ込みによって全体の歯並び・噛み合わせが乱れることがあります。
噛み合わせが乱れると、歯にかかる負荷がアンバランスになり、顎関節周りの筋肉・骨格のバランスが乱れる場合も。
顎関節周りへの悪影響のほか、噛み合わせの乱れが原因で、歯→顎→首→背中→腰→足、という順でアンバランスな負荷が波及。全身の筋肉・骨格のバランスが乱れるケースもあります。
7.口元の見た目が悪くなりやすい
歯が抜けたままにしていると、口元の見た目が悪くなりやすいです。特に前歯を抜けたままにしている方は歯を失った箇所が目立ちやすく、お口を開けたときの口元の印象が悪くなってしまうことがあります。
8.噛む刺激が不足し、脳の機能に悪影響が出やすくなる(認知症を発症・進行するリスクが高まる)
歯を抜けたままにしていると、失った歯の分、噛む刺激が不足します。特に、進行した歯周病などで多くの歯を失った状態を放置している方は、噛む刺激が不足しやすいです。
噛む刺激が不足した状態が続くと、噛む刺激の不足が原因で脳への血流が低下。脳への血流の低下により、脳の機能に悪影響が出やすくなります。
研究では、「健康な歯が20本以上残っている方」と比べて、「多くの歯を失った状態を放置している方」は、脳への血流の低下により、約2倍、認知症を発症しやすくなる可能性が指摘されています(※)。
(※)神奈川歯科大学大学院 山本龍生教授
「歯科から考える認知症予防への貢献」(2017年)
より引用。
【歯を失った方・失った歯の補い方でお悩みの方はご相談ください】
上記でお伝えしたように、歯が抜けたままにしておくと、様々な悪影響が生じやすくなります。
歯が抜けた状態の放置によって起こり得る悪影響を避けるために、重要なのは、まずは、「歯を失わないようにする」こと。以下の2つの基本のケアを継続し、ご自身の天然の歯を保ち続けることがベストです。
[歯・歯周組織の健康を維持するために重要な2つのケア]
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毎日のセルフケア(ご自身で行う毎日の歯磨き+歯間清掃)
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歯科医院で受ける定期検診
ベストはご自身の歯を保ち続けることですが、むし歯・歯周病・歯根破折・事故などが原因で、不幸にも、歯を失ってしまう場合も。
歯を失った場合は、歯科医院で受ける、以下のような補綴治療(ほてつちりょう)で失った歯の機能と見た目の回復にアプローチすることが可能です。人工歯・義歯(入れ歯)での補綴により、歯が抜けた状態の放置が原因で起こり得る悪影響を抑えやすくなります。
[歯科医療における補綴治療の種類]
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インプラント
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ブリッジ
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入れ歯
上記の中で安定性が高いのはインプラントです。顎の骨に直接、人工歯根(インプラント体)を埋め入れるため、インプラントは高い安定性を持ちます。
安定性が高いのはインプラントですが、患者様の歯周組織・健康の状態やご希望によっては、ブリッジ・入れ歯が適している可能性も。
– インプラントの無料相談を受け付けています –
歯を失い食べ物をしっかり噛めない方、インプラントのクリニック選びでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。インプラントの相談費は無料です。
カウンセリングのご予約はお電話/WEBにて承っております。
