インプラント治療コラム COLUMN

インプラントで噛む力を改善



「歯を失ったけど、残っている歯で噛めるからこのままで大丈夫かな」

「奥歯だから目立たないし、歯は入れなくてイイや」


歯を失ったとき、「1本や2本くらいなら放っておいてもイイかな」と歯がない状態を放置する方がいらっしゃいますが、よくありません。歯がない状態を放置すると歯並びが乱れて食べ物をしっかり噛みにくくなるおそれがあるほか、噛む力の低下によってのど周りの飲む機能が衰えたり脳への血流が低下することがあります。


今回は「しっかり噛めないことのデメリット」および「インプラントで噛む力を改善」についてお話しします。


■しっかり噛めないことのデメリット


虫歯や歯周病などが原因で歯を失ってしまったり、歯並びや噛み合わせが乱れていると全体の歯を使って食べ物をしっかり噛みにくくなります。食べ物をしっかり噛めないと、以下のようなさまざまなデメリットが生じる可能性があります。


デメリット①「やわらかい物ばかり食べるようになり、栄養バランスが乱れやすくなる」

しっかり噛めなくなると弾力のある肉や魚、繊維質の野菜を噛み切りにくくなるため、炭水化物を中心にやわらかい物ばかり食べがちになります。


やわらかめのごはんや麺類、甘いお菓子やジュース、お酒などで栄養を補うようになり、栄養バランスが乱れたりカロリーを摂りすぎてしまうことも。


デメリット②「噛む力、飲む機能が衰えやすくなる」

しっかり噛めずやわらかい物ばかり食べていると咬筋などの噛む力が低下していきます。噛む力の低下により、お口周りの筋肉と連動しているのど周りの飲む機能も衰えやすくなります。


デメリット③「歯並びや噛み合わせが乱れやすくなる」

歯を失うと、歯が残っている部分だけで食べ物を噛みがちになります。


前歯のみ、片側のみなど、歯が残っている部分だけで噛みアンバランスな負荷がかかることでお口周りや顎関節周辺の筋肉バランスが崩れてしまい、歯並びや噛み合わせが乱れやすくなります。


また、歯が残っている部分だけで噛んでいると過剰な負荷によってその箇所の歯がすり減り、歯並びや噛み合わせが乱れるケースがあります。


歯を失った状態を放置することで空いたスペースに隣の歯が倒れてきてしまい、全体の歯並びや噛み合わせが乱れることもあります。


デメリット④「食事を楽しみにくくなる」

歯を失って噛む力が弱まり、やわらかい物しか食べられなくなると食事を楽しみにくくなります。


肉や魚、野菜など、歯ごたえのある物を食べたくても食べられないと食事を楽しめなくなり、生活の質(Quality of Life)の低下につながります。


デメリット⑤「脳への血流が低下しやすくなる」

しっかり噛めなくなると、噛む刺激が不足して脳への血流が低下しやすくなります。


噛む刺激と脳への血流を調べた研究によると、歯が多く残っている方と比べ、歯が少ない方は約2倍の確率で認知症になりやすい、という結果が報告されています(※)


(※)歯科から考える認知症予防への貢献神奈川歯科大学

大学院 山本龍生教授(2017年)より引用。


■飲む機能が衰えることの怖さ


◎飲む機能の衰えにより誤嚥性肺炎がひき起こされることも

歯を失い、しっかり噛めない・噛まない状態が続くと噛む力が低下していきます。噛む力が低下することでお口周りの筋肉と連動するのど周りの筋肉量が減っていき、飲む機能が衰えやすくなります。


飲む機能が衰えると食べ物を飲み込みにくくなったりむせやすくなるほか、嚥下障害により誤嚥性肺炎がひき起こされることもあります。


誤嚥性肺炎は日本人の死因の第6位であり、重篤な状態に陥りやすい危険な肺疾患の一つです。日本人全体のうち、約2.9%の方が誤嚥性肺炎によって亡くなっています(※)。


(※)人口動態統計月報年計(概数)」厚生労働省(2019)より。


■噛む力を改善する方法は?


◎インプラントがおすすめです

虫歯や歯周病、歯根破折、不慮の事故などが原因で歯を失った場合はインプラントにすることで歯の噛む機能と見た目を回復できます。


インプラント治療ではフィクスチャーを歯槽骨(歯が植わっている顎の骨)に埋め入れ、人工の歯根を作ります。埋め入れたフィクスチャーはオッセオインテグレーションという生体的現象によって歯槽骨と強固に結合するため、安定性が高い人工歯が作られます。


インプラントにすることで治療後は硬い物もしっかり噛んで食事を楽しめるようになります。また、インプラントは残っている歯を傷つけないため、歯全体の寿命の延伸にもつながります。


◎ブリッジや入れ歯との比較

失った歯を補う治療法にはブリッジや入れ歯もあります。実際、多くの方が「安いから」という理由で保険のブリッジや部分入れ歯を選ばれています。


しかし、ブリッジや部分入れ歯は残っている歯を傷つけることがあります。ブリッジは両隣の歯を削って被せ物をするため歯が傷ついてしまいます。部分入れ歯は金具をひっかけて使うため残っている歯が引き倒されることがあり、歯の寿命が縮みやすくなります。


噛む力も、インプラントが天然歯の80~90%程度の回復率があるのに対し、ブリッジは60~80%程度、部分入れ歯は30~50%程度の回復率にとどまります。特に部分入れ歯は取り外し式のため噛む力の回復率が低く、使用中に入れ歯がずれたり外れる可能性があることもデメリットの一つです。


【しっかり噛めるインプラントで健康寿命を延ばしましょう】


インプラントにすることでしっかり噛めるようになると、食事を心から楽しみやすくなります。食事は生活の基本です。食事が楽しめると毎日の生活にハリが出ます。外食や旅行、レジャーなども思いっきり楽しめるようになります。


近年は高齢化による日本人の平均寿命の長さが注目されていますが、本当に重要なのは生命寿命ではなく「健康寿命」です。しっかりと噛んで食事をとり、人の手を借りずにできることは可能な限りご自身で行うことで健康寿命の延伸につながります。


失った歯の治療法で迷われている方、インプラント治療について詳しく知りたい方は神奈川県小田原市の白山歯科までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。カウンセリングのご予約はお電話・WEBにて受け付けております。

 

白山歯科クリニック
院長
田賀 紀広

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