インプラント治療コラム COLUMN

インプラント埋入手術後、どのように過ごすべき?



インプラント手術を受けた後はどのように過ごせば良いのでしょうか。

食事や運動をいつから通常通り行えるのかも気になるところです。

インプラント埋入手術後の過ごし方について解説します。


■インプラント埋入直後~1週間


◎麻酔が切れるまで飲食禁止

インプラントの埋入手術の後は麻酔が効いています。

麻酔が切れるまでは少なく見積もって3時間くらいの時間がかかります。

3時間の間は飲食禁止です。

麻酔が効いていると、唇などをかんでしまっても気づかずに、大きな怪我をしてしまう恐れがあります。


◎腫れは3日がピーク

インプラント埋入手術後の腫れは、3日後がピークとなります。

そのため次の日仕事に行くこと自体は禁忌ではありませんが、もし可能なら休んで安静にするのが一番よいでしょう。

またその後も腫れが引かないようなら歯科医院に相談する必要があります。


◎1週間は激しい運動、喫煙など禁止

激しい運動、アルコール、喫煙など一般的に外科処置後によくないとされているものは一週間程度禁止するとよいでしょう。

当日に入浴することはできますが、一週間後までは熱いお湯に入るのはやめ、ぬるめの湯につかるか、シャワーだけにしましょう。

喫煙に関してはいつからがいいということはなく、禁煙を行っていただいております。手術の前後を問わず、喫煙にはデメリットが多くあり、手術の成功とできる限りの術後の安定を保っていただきたいという点から、禁煙をお願いしております。


◎サイナスリフトの場合

サイナスリフトは上顎洞に造骨のために使用した人工骨を使用します。

そのため強く鼻をかむ、くしゃみ、歌唱などの、激しい呼吸を伴う行動全般は人工骨を飛び散らせる原因になり、土台となる人工骨の安定性に不安が出てしまう可能性がありますので、手術直後から2週間ほどは控えましょう。

くしゃみを我慢することは大変難しいことだと思いますが、大きな力がかかってしまうためできるだけ我慢してください。


■食事と歯磨きに対する注意


◎食事は柔らかいものを

食事は一週間程度柔らかいものを摂るようにしましょう。

飴やせんべいなど、硬い物を強くかんでしまうと傷がひらいてしまう可能性があります。 

また、ピーナッツや豚カツなど硬いものをかみ砕くと、インプラント体が破損してしまう恐れがあるため硬いものを食べるのはなるべく我慢してください。辛い食べ物のような刺激が強いものも一週間は控えるべきです。

柔らかいものでも一気には食べず、小さくちぎるなどして食べるようにしましょう。

おすすめなのはうどんやおかゆといった風邪症状があるときに食べるような、刺激の少ない食べやすい食事です。

どのような食べ物でも、処置側を反対側でかみ、傷口に当たらないようにしましょう。


◎歯磨きも柔らかいブラシで

歯ブラシをする際は柔らかいものを使用し、抜糸後までは傷口に当たらないようにしましょう。

当院では術後の歯ブラシは「TePeスペシャルケア™コンパクト」またはインプラント専用ワンタフトブラシ「インプロ」を処方させていただいております。この2つのような柔らかさの歯ブラシを使用してください。

抜糸が終わったあとは、痛いから、怖いからと言って磨くことをやめてしまうと、プラークがたまりがちになってしまいます。

そのため、埋入した部位は柔らかい歯ブラシできとんと磨くようにしましょう。


◎歯磨きペーストにも注意

つぶつぶとした顆粒が入っている歯磨きペーストを使用すると、インプラントと歯肉溝に入って周囲炎を起こしてしまう恐れがあります。

歯磨きペースト選びについてはスタッフにお気軽にご相談ください。


■こんな時は歯科医院に相談しよう


◎2日を過ぎても出血している

インプラント手術後の出血は、長くても2日後ぐらいまでには止まると考えてよいでしょう。

それ以降も出血している時は、何らかの異常が起こっている可能性もあります。

止まる気配がなければすぐに歯科医院に相談しましょう。


◎1週間を過ぎても腫れが引かない

基本的に腫れは三日後がピークで、それ以上はそれ以後はひいてきます。

それ以降も引かない場合は何らかの細菌感染など起こしている可能性もあります。

おかしいなと思ったらすぐに歯科医師に相談しましょう。


◎その他の異常

神経が傷つくなどしている時は、唇の震えが出る、唇が閉まらないといった症状が現れることがあります。

そのような異常があればすぐに歯科医師に相談しましょう。


【2~3日は安静が理想、気になる症状があれば相談を】


インプラント手術後は、麻酔が切れる3時間後までは飲食禁止、その後2~3日までは安静。食事や歯ブラシ、運動などには一週間程度は気をつける、と考えておくとよいでしょう。

この時期をきちんと過ごし乗り切ることで、インプラントを長く使えるようになる可能性は大いにあります。

無理をせずに様子をみながら傷の治癒を待てるとよいでしょう。


治療後に関するお願い


インプラントの治療後すぐは、上記のような症状としてわかりやすい異常が出る可能性があります。

痛みや腫れが出るため、自覚症状から相談や受診をすることも可能です。

治療からしばらくして、インプラントもなじみ天然の歯と変わらない噛み心地になってきたときにも、定期的に歯科医院のメンテナンスを受けていただきたいと思います。

それは、歯周病やインプラント周囲炎(インプラント体の周りの組織で起こる歯周病のようなものです。)が起きる可能性があるからです。

インプラント治療が必要になってしまった方の多くは、生活習慣から歯周病やむし歯を患い歯を失ってしまうケースにつながっています。そのため治療後も歯周病やむし歯になりやすい生活を送っている可能性が高いため、定期的な歯科医院でのメンテナンスを行い、これ以上歯を失わないように、治療したインプラントが抜け落ちてしまわないように、しっかりケアを継続することが大切です。

当院では、デンタルクリンという患者様に合わせた特別なケアプログラムを行っており、治療したインプラントだけでなくお口の中全体も、これ以上歯を失わないように清潔を保つようサポートしています。

インプラント治療は、治療する医院選びが大切です。治療前~治療後までしっかりとサポートできる歯科医院を選んでいきましょう。


白山歯科クリニック
院長
田賀 紀広

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