インプラント治療コラム COLUMN

インプラントのリスクや副作用


現在日本にある歯科医院の35%が、インプラント治療を行っているといわれています。

インプラント治療のリスクや副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。

またインプラント治療を受けることができない方についても解説します。


■インプラント治療を受けられない方


◎インプラント治療を受けられない全身疾患

インプラント治療を受けることができない全身疾患には、以下のものがあります。
糖尿病、血液疾患や心臓疾患などにより血が止まりにくくなる薬を服用中の方など。


◎骨の密度の関係

インプラントは歯槽骨という骨に埋入するため、その安定のためには骨の密度がとても重要になります。
そのため骨粗しょう症をお持ちの方は、インプラント治療を受けられないことがあります。
無理にインプラント治療を受けてもインプラントはその場に安定せず脱落してしまうリスクがあります。


■インプラント治療要注意の方


◎歯周病や清掃不良

歯周病が治癒していない方、口腔内の清掃がきちんと行えない方は、インプラント周囲炎という、インプラントが脱落してしまう感染性の疾患にかかるリスクが高いです。 そのため、インプラントの埋入手術を行えないことがあります。


◎定期検診に来られない方

インプラントを埋入した後は、メンテナンスがとても重要です。
そのため定期検診に来られない方は、インプラントの治療を受けられない可能性があります。
また、定期検診に来られないと保証が受けられないという歯科医院もあります。
インプラント埋入後に歯科医院で受けるメンテナンスがそれほど重要だといえます。


◎喫煙者

タバコ吸っていらっしゃる方はインプラント治療を受けられないことがあります。
タバコは口腔内の血管細くし、全体に栄養を行き渡りにくくします。
そのためインプラント埋入後の傷の治りが悪く、脱落や感染の危険があります。
そのため当院でも禁煙を行っていただいております。
またタバコを吸っている方は、お口の中で歯周病が進行しても症状が出にくく気づきにくいといわれています。
そのためインプラント治療が終わり、インプラントが安定しても禁煙をするのがベストです。当院ではインプラント治療をご希望の患者さまには、禁煙を行っていただいております。


■インプラント治療時のリスク


◎金属アレルギー

インプラントは、人工関節などにも使われるアレルギーの起きにくいチタンという金属を使用しています。
しかしそれが金属である以上、全く金属アレルギーが起きないというわけではありません。
体内に金属を埋入する以上、必ず金属アレルギーのリスクは伴います。


◎神経麻痺

下顎にインプラントを埋入する時は、神経の通った管に触れてしまわないように注意が必要です。
この下顎の神経は、歯に大変近いところを通っているため、親知らずの抜歯でもこの神経麻痺を起こすリスクがあります。
最近では歯科用 CT の導入によりこの下顎の神経の位置を正確に把握できるようになったことから、このような事故は大変少なくなっています。
しかし何らかの外科処置を行う以上、まったくリスクをゼロにすることはできないため、歯科医師も、リスクをきちんと認識した上で処置を行います。


◎上顎洞とインプラント

上顎にインプラントを埋入する時は、上顎洞という空洞に突き抜けてしまわないよう注意が必要です。
上顎洞は鼻の横にある空洞で、小臼歯の根っこなどが一番近い位置にあります。
鼻茸(ポリープ)やができたり、感染すると蓄膿症になる場所であり、インプラントがその空洞に貫通することで歯性上顎洞炎(蓄膿症)になる可能性があります。


◎インプラント周囲炎

歯槽骨と天然歯の根っこの間に歯根膜という膜があります。
この膜が、炎症が波及する際のクッションのような役割を果たしてくれます。
しかしインプラントは歯槽骨と直接結合しているため、炎症がとても早く波及します。 この状態をインプラント周囲炎といいます。


【リスクや副作用を知ってインプラント治療を受けよう】


リスクを伴う外科処置であることをきちんと認識した上で、インプラント治療を受けましょう。
またお手入れを怠らないこともとても重要です。


白山歯科クリニック
院長
田賀 紀広

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